あらすじ
校内のマラソン大会に向けて、岡山総合グランドでランニングをする中学校二年生のしるく。いつものようにゴール地点の銅像に駆け込むと、ふわりと銅像から、その人が抜け出してきた。その人の名前は「人見絹枝」
しるくは、その人のことは全く知らなかったが、ランニングのコーチをしてもらうことになり、調べてみて驚いた。日本女性初のオリンピックのメダリストだった。その人の著書を読み、直接アムステルダムやプラハのオリンピックの話を聞くうちに、しるくの心には、かつてない感情が芽生えてくる。時代と闘いながら、強く厳しく駆け抜けた人。栄光と挫折を味わい尽くした人。壮絶な人生をわずか二十四年間で走り抜けた人。その人の笑顔は素敵だった。しるくは、その人生や人柄に触れ、自分なりに、昨日より今日、今日より明日と成長することを心に決めた。愚かなりとも、努力の先にあるものを信じて。