あらすじ
「お別れ」には、ただの終わりだけではなく、
新たな始まりもあるのかもしれない。
小さな頃から、千景と私は何度も「お別れごっこ」をしてきた。
「もう友達やめる!」と喧嘩しても、次の日にはケロッと戻ってきて、「やっぱり仲直りしよう」と笑い合う。
まるでゲームのように、儀式のように、「お別れ」なんてものは本当は存在しないのだと思っていた。
でも、大人になり、私たちは少しずつ違う道を歩き始める。
大学進学、就職、引っ越し——「お別れごっこ」は、次第に現実味を帯び、ただの遊びじゃなくなっていった。
千景が海外に行く日、私はふと冗談半分で言ってみた。
「お別れごっこ、もう一回しよっか?」
すると、千景は静かに答えた。「もう、ごっこじゃないよ。」
その瞬間、初めて本物の「さよなら」の意味を知った。
時が流れ、十年の歳月が過ぎ、私は偶然、昔のアルバムを見つける。
千景とのふざけた写真、あの日の「お別れごっこ」と書かれたメモ。
その瞬間、私の中で一つの思いが湧き上がる——「リセットボタンがあればいいのに。」
でも、その時、千景から久しぶりのメッセージが届く。
「久しぶり」「お別れごっこ、もう一回する?」
あの時のように戻れるのか、それとも、過ぎた時間を取り戻すことはできないのか。
再び交わす言葉と共に、私たちは「お別れごっこ」の続きをするのか、それとも——
最初から終わりのない、「さよなら」を迎えるのか。
そんな選択を迫られるように、二人は再び向き合う。
時に切なく、時に温かく、そして少しずつ成長していく二人の関係。
「お別れごっこ」が繰り返されることで、見えなかった本当の気持ちが明らかになり、
やがて迎えるのは——本当の、最終的な「さよなら」。
けれど、私たちが心の中で本当に大切にしていたのは、何度も繰り返されたその「お別れ」なのかもしれない。
それは、ただの終わりではなく、新たな始まりを予感させるものだったから。
本当の「さよなら」を知ることで、私たちはどうしても、また会いたくなるのだろう——。