あらすじ
春の宵、桜の下でひとり立ち止まる高校生・レン。三年前に亡くなった妹・ナツミとの“春の約束”が今も心に残っている。そんなある日、彼は桜の木の下で自分宛の手紙を見つける。
そこに綴られていたのは、ナツミの筆跡で記された不思議なメッセージだった。
手紙に導かれるように現れたのは、アカリという少女。彼女はナツミの入院仲間であり、ナツミから「兄に“花あかり”を見せてほしい」と託されていた。
ナツミの願いに背中を押されるように、レンとアカリは春の夜の桜並木“桜トンネル”を訪れる。
そこに広がっていたのは、桜がほのかに灯るように見える幻想的な光景――“花あかり”だった。
アカリとの出会い、そしてモモカという幼馴染との再確認された絆。ナツミが残してくれた言葉や写真は、レンの心を少しずつ解きほぐしていく。
春を嫌っていた少年が、再び春を、
そして未来を信じられるようになるまでの、切なくもあたたかな物語