あらすじ
五限の授業は、丁度睡眠欲が高まる時間で、じっと席についているとうつらうつらと夢の中へ引き込まれていくものである。教室の中はみんなの眠気がふわふわと漂い、静かで穏やかな凪の海みたいだった。
欠伸をひとつ。潤んだ眼で窓の外を見上げると、まるでタイヤキのように見える雲が浮かんでいた。写真を撮りたいけど授業中にスマホを取り出すわけにはいかず、風に吹かれて形を変えていくのをただ眺めているしかなかった。
その《タイヤキ》の写真が、SNSのとあるアカウントに上げられていた。同じ空を見ていた人がいるんだ……