あらすじ
高校二年生になったばかりの燎太郎は教室に馴染めずにいた。
ある日、いつものようにヘッドホンをして休み時間を、文学の世界へとダイブしてやり過ごそうとしていた。すると、同じようにクラスから浮いていた六角健吾に声をかけられる。「この問題文が分からない」と、差し出された問題集は化学のものだった。燎太郎は耳を疑う。それもそのはずだ。
彼は「化学の天才」と呼ばれる、学校中の有名人で、化学の問題が分からないなんて、あり得るのかと思ったから──。
群れからはぐれたような、孤独と違和感を抱えた少年ふたりが、支え合い、お互いの中に、お互いのアイデンティティを発見し、成長する物語。