あらすじ
去年の夏、僕は「好きな子」と別れた。
演劇に夢中だった彼女を、まっすぐに応援できなかった。
本音をぶつけるのが怖かった。自信がなくて、ちゃんと向き合えなかった。
そしてあの日、河川敷のベンチで僕は彼女に別れを告げた。
ずっと後悔してる。言えなかったことが、届かなかった想いが、夏が来るたび心を刺す。
そんなある日、僕の前に“クロ”と名乗る不思議な少年が現れた。
彼が告げる。「お前に、やり直しの夏をやる」と——
目覚めると、そこは“もうひとつの夏”。
夢を追う彼女を支えた「もしもの僕」が存在する世界だった。
夏祭り、図書館での勉強会、秘密の花火スポット。
笑い合うふたりの姿はまぶしくて、でも、どこか遠い。
どうして僕は、あのとき彼女を信じてあげられなかったんだろう。
どうして言葉を飲み込んでしまったんだろう。
繰り返す時間のなかで、僕はようやく気づいた。
彼女と“ちゃんと向き合いたかった”気持ちは、本物だったんだと。
やり直せるのは、この夏だけ——
最後の選択を前に、僕が選んだのは、夢でも過去でもない。
“いま”を生きる、ほんとうの未来だった。
これは、もう一度好きになる話。
一度失った恋を、自分の言葉で、もう一度始めるための、
“夏にしかできない恋”の物語。