あらすじ
かつて存在していた身分・階級制度は、名目上はすでに廃止された。だが現代では、世界のあらゆる国でいまだに「上級」「中級」「下級」という三つの階級が根強く残っている。
一見すれば、「α=上流階級」「β=中流階級」「Ω=下流階級」という認識は当然のように思える。だが、現実はそう単純ではない。
他の性(β・Ω)と比較して、αの男性は容姿端麗で、カリスマ性と高い能力を持ち合わせ、女性もまた、知性と美貌を兼ね備えている――まさに完璧な存在とされている。しかし、それでもαの中には、明確な格差が存在している。
αたちは「下級α」「中級α」「上級α」という三層に分かれ、それぞれの階級によって生活水準、資本力、権力、社会的影響力に大きな差が生まれる。
たとえば、一般家庭――βの両親や、α×Ωの組み合わせから稀に生まれたαは、生まれつきの能力や身体的特徴においてβやΩよりも優れており、優良な職に就くことも多い。しかし彼らは「下級α」とされ、上位のαたちには逆らうことすら困難だ。
一方、中級αは、より優れた能力を持ち、企業の社長、芸能人、スポーツ選手など、多方面で活躍しており、人々の記憶に残る存在となることが多い。
そして頂点に立つのが「上級α」。彼らは名門の家系に生まれ、特別な能力を有し、中級・下級αを従える立場にある。上級αの能力や背景については、物語を通じて徐々に明らかにされていく。
さらに、極めて限られた者たちにしか感知できない、特異なオーラを放つ「最上級α」という存在がある。同族すら圧倒し、生かすも殺すも自在とされるこの能力を持つ者は、1ヶ国あたり多くても20人程度とされ、名門の家系に生まれた上級αの中から、ごくまれに現れる。
また、真偽不明の“都市伝説”のような存在、「奇種(きしゅ)アルファ」――神と称されるほどの力を持つ存在が、上級および最上級αの間で密かに語り継がれている。
この世界に、平等という言葉は存在しない。
βにも、Ωにも、同様に三つの階級がある。
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少々長い前置きとなったが、この物語は、主人公・伊集院 敬(いじゅういん けい)が誕生し、親の死、養子縁組、そして“運命の番”との出会いを経て、隠された真実と愛に向き合っていく長編オメガバース物語です。
※本作はフィクションです。オメガバースの設定を基にしていますが、多くの独自設定を含みます。