あらすじ
五体を司る脳の指揮系統もいよいよ機能を失い、鼻腔に漂ってきたそれが己の屍臭であると気づいた男は、ついに訪れた死期を悟る。
諦観さえ朧な意識のなか、ふと鼻先をくすぐったのは、大切な家族の誰でもない、ずっと昔、心と身体に染みついた「あの匂い」だった。
触れた指、消えない香り。
あの夏の交わり、離れ。そしてそれぞれの人生に埋ずもれていったふたり。
それでもその"指"は、今際の彼のもとに、ふたたび現れる。
——果たしてそれは、記憶だったのか。それとも、現なのか。
『塀のうちの字余り』https://estar.jp/novels/26097623 の【おとなの消防士×情念つよつよ大学生】といったパラレルの内容です。
本編『塀〜』を未読でも問題ない前提で書きました。
大人な部分を加筆した【R】版
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=25421087
https://fujossy.jp/books/30291