あらすじ
「僕、嫌いです。バイオリン」
時は太平洋戦争——
ビルマ戦線に送り込まれ、飢餓に苦しむ日々を送っていた日本兵・春木律人。
慰問のため赴いた軍楽隊員・秋庭弓弦とバイオリンを通して交流が生まれ、やがて特別な関係を結んだのも束の間。
弓弦は律人との逢瀬を暴かれ、罰としてたった一人での敵情視察へと出されてしまう。
そして現代——
大学生のガクは、祖父が亡くなった知らせを受け、告別式へ参列していた。
そんな時、隣の会場から漏れ聴こえてきたバイオリンの音色を耳にしたガクは、
それをきっかけに前世での出来事が思い出される。
ガクが音を辿るとそこには、亡くなった祖母の前で『アヴェ・マリア』を奏でる青年、イオリの姿があった。
イオリの奏でる音も、その容姿も、間違いなく前世では弓弦だった人物だと確信するガク。
初めはイオリに訝しがられるも、交流を深めるうち、二人は現代でも特別な関係へと進展していく。
しかしイオリが背負っている人生はあまりにも惨いものだった。
ただ一緒に居られるだけでも良かった二人を、過酷な運命が待ち受けており——