あらすじ
真夏の昼下がり、古い洋館の書斎。再会したのは、年上の彼女・茉莉子と、少し不器用な私・莉緒。汗ばむワンピース、レースカーテン越しの光、蝉の声。触れたいと思った指が、肌をなぞるたびに、心の奥もほどけていく。
昼と夜の境界線でふたりが交わすのは、言葉より確かな熱。やがて、静けさの中に始まる日々――。
蝉が鳴かなくなった午後、ふたりは本当の「恋」に触れた。
■登場人物紹介
莉緒(りお)/24歳・書店員
静かで感受性の強い性格。大学時代に出会った茉莉子への想いを心の奥にしまい込んでいたが、ひと夏の再会でその想いが再燃する。素直になりきれない不器用さと、深い愛情を内に秘めている。
茉莉子(まりこ)/34歳・洋館の持ち主・翻訳家
落ち着いた大人の女性。理知的で穏やかだが、どこか影のある雰囲気をまとう。過去にひとつ恋を手放した経験を持ち、莉緒に対しては最初から「覚悟」を決めていた。
洋館で静かに暮らしているが、内面には深い孤独と情熱を抱えている。