あらすじ
『闇のe-Tax』
闇のe-Tax
― 詩 ―
指先ひとつで
すべてが済むと
誰かが囁いた
温かな利便の仮面の裏
忍び寄る影があったことに
私たちは 気づかない
押された「送信」ボタンの向こうで
誰かの欲望が微笑んだ
見えない手が
静かに扉を開いていた
目に見えぬ罠
耳に届かぬ呻き
触れてもなお、気づかぬ冷たさ
鼻をかすめた、焦げたような違和感
舌の上に残った
見せかけの「安心」という苦味
それでも――
真実は、かすかに息をしていた
崩れた足元に手をついて
私たちは立ち上がる
希望の香りが
新しいインクに混じって
小さく肺を満たしていく
傷ついた社会を支えるのは
正義の声ではなく
問いを手放さぬ意志
なぜ、信じたのか
なぜ、騙されたのか
なぜ、それでも
私たちは、また使おうとするのか
繰り返す問いの先に
白い未来があるなら
それを塗りつぶすのも
描きなおすのも
私たち自身だ
風が吹く
終わりではない
けれど確かに
光が、ひとすじ、差し込んでいる