あらすじ
エアコンの下から、今日も水の音がする――ぽとん、ぽぉとん。
大学2年の悠馬は、割引弁当と水道水でやりすごす暑い夏を生きている。
友人とのたこ焼き、会話、なんとなく気まずい沈黙。そして、誰もいない部屋に響く水音。
ある夜、映画で聞いたモールス信号に、エアコンの水音が似ていると気づいた悠馬は、
ふとした遊び心で信号を送ってみる。すると、音が……返ってきた。
「まさか、お前……わかってるんか?」
ぽたぽた落ちる音は、やがて裏拍子になり、異様に激しくなっていく。
――それは、ただの故障だったのか。それとも。
静かな日常の奥に潜む、ちいさなSOSの話。