あらすじ
俺は『くねくね』。いわずもがなの妖怪だ。
田舎の村の中なんかでクネクネっとダンスを踊るのが大好きだ。だが、そんな俺の姿を『三秒間』見てしまうと、そいつには呪いがかかってしまう。
「くねくね~、くねくね~」
なんという悲劇。だから、そうならないよう、俺はいつも細心の注意を払っている。
だが、ある時に事件が起きた。
「これは、殺人事件か」
刑事たちが現場を検証する。殺されたのは地元の画家。そして、容疑者は現場に残っているのもわかっている。
「くねくね~、くねくね~」
しかし、力井戸(りきいど)とかいう問題の容疑者は、「くねくねの呪い」にかかったように、ずっと正気を失った素振りを見せている。
おかしい! 俺は、自分が呪いをかけてしまった相手のことは、全員ちゃんと覚えている。そしてこいつと遭遇した記憶はない。
つまり、これは演技に過ぎない。人間の世界には『責任能力』という言葉がある。正気を失っている状態だったと判明すると、『殺人』などの犯罪の責任を追及されずに済むという。
なんという汚い奴。俺という妖怪の存在を利用し、人を殺しておきながら逃げおおせようとするとは。
許せん! どうにかして、貴様のやっていることが演技だと証明してやる。
だが、そこから先が問題だ。奴の収容された病院に向かうには、村人どもがいる中を突っ切って行くしかない。途中で俺の姿を見られでもしたら、また呪いが発生してしまう。
でも、やるしかない。この『スニーキング(隠密)・ミッションを」。
ちょうどいいものも発見した。
役立たせてもらうぞ。この打ち棄てられた『ダンボール』を!