あらすじ

十歳の夏、僕は妹と過ごしていた。 蝉時雨が響く中、公園で拾ったのは空蝉ばかり──妹は言った。「この子たちは、忘れられた人の声を抱えてるの」 けれど、その日を境に、妹の存在は少しずつ薄れていく。 家族も、周囲も、誰一人“彩”のことを覚えていない。 空蝉だけが、確かにそこにあった。 声だけが、耳の奥で鳴っていた。 忘却と再会、喪失と記憶のひと夏を描いた、静かな怪異譚。 ──君のことを、どうか忘れないように。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2025/08/01
  • 現在の作品蝉聲夢