あらすじ
新宿の喧騒から少し離れた路地裏で、深夜から早朝にかけてのみ営業する不思議な花屋「夜想花(やそうか)」。店主の花咲 小夜は、言葉少なだが、客の心に寄り添う花を選ぶ天才だった。ある雨の夜、店に現れたのは、美しい顔立ちながらも深い絶望を瞳に宿した青年・橘奏(たちばなかなで)。彼はかつて将来を嘱望されたピアニストだったが、ある事件をきっかけにピアノが弾けなくなり、言葉さえも失いかけていた。小夜は、そんな彼にそっと一輪の月下美人を差し出す。花を通じて少しずつ心を通わせていく二人。しかし、奏がピアノを弾けなくなった原因には、小夜の過去が関わっていて…? 切なくも美しい、秘密を抱えた二人の深夜の恋物語