あらすじ
静かで地味な存在として、世間から
「お飾り王妃」と揶揄されるセレフィリア。
彼女はひっそりと、しかし確かな聖なる力で国を守る結界を維持するという、誰も知らない重要な務めを果たしていた。
しかし、その真実はごく一部の者しか知らず、王宮での彼女は孤独だった。
一方、国民から絶大な人気を誇る聖女マリアは、第一王子レオンハルトの寵愛を一身に受けていると見なされていた。
華やかな公務のたび、レオンハルトがマリアに送る「溺愛」の視線は、セレフィリアの心を静かに蝕んでいく。
彼は本当にマリアを愛しているのか? セレフィリアは、切ない胸の内を誰にも打ち明けられないまま、自身の感情を押し殺し、ただ国の平和を願い続けていた。
しかし、レオンハルトの「溺愛」は、セレフィリアを守り、彼女の真の力を隠すための偽りだった。
彼はセレフィリアこそが国に不可欠な存在であることを知っており、彼女を世間の危険から遠ざけるために、あえてマリアを寵愛する芝居を打っていたのだ。
そんな中、国境付近で魔物の出現が頻発し、脅威が現実味を帯びてくる。セレフィリアは疲弊する心身で結界の維持に努めるが、魔物の勢力は増すばかり。
そして、マリアの策略やレオンハルトの苦渋の選択が、二人のすれ違いを深めていく。セレフィリアは、レオンハルトの真意を知らぬまま、心身ともに限界へと追いやられていくのだった。
やがて、セレフィリアの聖なる力が限界を迎え、国が未曽有の危機に瀕した時、レオンハルトはついに苦渋の決断を下す。
彼は公の場で真実を明かし、偽りの寵愛の終焉を告げ、セレフィリアこそが真の聖なる王妃であることを宣言する。国民の間に衝撃が走る中、魔物の最終攻撃が始まる。
真実を知り、レオンハルトの深い愛情を悟ったセレフィリアは、再び聖なる力を覚醒させる。
王子レオンハルトは騎士団を率いて魔物と戦い、セレフィリアは聖なる力で彼らを援護する。
長きにわたるすれ違いと誤解を乗り越え、ついに心を通わせた二人は、共に力を合わせ、国を蝕む魔物を打ち払う。
真実を知った国民の祝福を受け、レオンハルトとセレフィリアは真の夫婦として、そして国の光として、新たな未来を歩み始める。