あらすじ
―スポーツ刈りの少女と、風を感じた恋の物語―
中学二年の春。目立たないけれどまじめな少女・紗季の前に、短く刈り上げた髪とまっすぐな瞳を持つ転校生・蒼が現れる。
自由で自然体な蒼に惹かれていくうちに、紗季の中で「変わりたい」という想いが芽生え始める。
「女の子らしさ」を押しつけられて生きてきた日々。
でも、本当は──風を感じるように、もっと自分らしく生きたかった。
ある日、紗季は決意する。
「自分を変えるために」髪をすべて切り、短いスポーツ刈りにするという大胆な行動に出たのだ。
驚くクラスメイト、ざわつく周囲の目。
それでも紗季は、「私」を隠さず、堂々と恋と日常に向き合っていく。
やがて蒼との恋が少しずつ動き出し、ふたりは“両想い”に。
けれど、好きでいることの難しさ、自分を信じ続けることの大切さにも気づいていく。
そして迎える文化祭。
再び「このままでいいのか」と自問した紗季は、伸びた髪をもう一度スポーツ刈りにし、今度は「変わらずにいるため」に、自らの姿を選び直す。
風を感じる髪と、揺るぎない想い。
この物語は、「好きになること」と「自分でい続けること」が交差する、ひとつの青春の記録である。