あらすじ
「その拳に、勇気をのせろ」
中学二年生、広瀬勇輝は臆病で、自分の名前すら重く感じていた。
教室でいじめを見ても、何もできずに俯くだけの毎日――。
そんな彼の人生を変えたのは、ある夕暮れ、公園で出会った謎の男・風間だった。
鋭く風を切る型。静かに構えるその姿に、勇輝は心を奪われる。
「変わりたい」「勇気を出したい」――そんな思いを胸に、彼は風間に弟子入りを志願する。
空手の型と向き合い、ただ立ち、ただ構える日々のなかで、勇輝は少しずつ「逃げない自分」へと成長していく。
しかし、かつて風間の弟子だった少年・翔太の悲劇、そして彼の妹である美咲との出会いが、勇輝に試練を突きつける。
ただ「強さ」だけでは守れないものがある。
誰かを傷つけずに立つには、どうすればいいのか。
拳を振るわずに、何を伝えることができるのか。
構えることは、逃げないこと。
その構えが、やがて誰かの心を変えていく――
『勇気の印』は、不器用で優しい少年が「名前に込められた意味」と真正面から向き合い、
本当の“勇気”を掴もうとする姿を描く、成長ストーリーです。