あらすじ
お金が欲しいわけじゃない。
ブランド物にも、タワマンにも、興味なんてない。
――わたしがほしいのは、「好きになられること」。
その好きがお金に変わる瞬間が、なによりも楽しかった。
男の人なんて簡単。ちょっと目を潤ませて、「寂しい」って言えばいい。
わたしは"ガチ恋製造機"。わたしの恋は、確実にお金になる。
そのはずだった。
たった一人を除いて――
朝霧誠(あさぎりまこと)、37歳。
災核(さいかく)という人間の感情をAIが解釈して暴走した"何か"と戦う、国家防衛隊、通称CODE: VALOR(勇気の規範)の大隊長。
クソ真面目で、感情表現をあまりせず、口数も少ない。
でも、あの眼差しだけはいつも何かを見透かしてる気がして、逃げられない。
「また来ちゃった」
わたしは、防衛隊の警備エリアに忍び込んで、制服のスカートをなびかせながら言った。
「聞いてる?」
彼はわたしを見ず、空を見上げたまま答えた。
「災核出現まであと12分。危険だから今すぐ避難しろ」
ねえ、知ってる?
わたし、災核よりヤバい女だからね?