あらすじ
あらすじ(ネタバレあり)
十二歳の夏休み。父の出張のため、久しぶりに祖母の家へと訪れた少年・にきは、突然奇怪なモノ――所謂あやかしが視えるようになってしまった。家鳴の原因である小鬼や動き出す欄間に驚き、彼らの言動に突っ込みつつ、存在を受け入れていく。
そんなにきは、ある日、一人の少女と出会う。つゆりと名乗った少女もまた、あやかしが視える人間だった。つゆりと話し、彼女に惹かれたにきは、人生で初めての恋をした。
その夜、にきは竹筒を拾う。それはつゆりの忘れ物で、中から出て来たのは管狐だった。つゆりは狐遣いの家系の子だったのだ。
管狐や河童、迷わし神などといったあやかしたちに振り回されてばかりの毎日。そんな中で、人に頼ることが苦手だったにきは人に頼ることを覚えていく。迷惑をかけたと思うなら、そのことを悔やむよりも、その人が困っていた時にその人のために自分ができることは何かを考えて行動することを学んでいった
にきは、夏祭りにつゆりを誘う。二人は楽しい時間を過ごしたが、にきが穴に落ちてしまった。落ちたそこは死者の国だった。つゆりと管狐の助けにより、にきは怪我をしつつも何とか死者の国から戻って来たのだった。
死者の国から戻ってきたにきは祖母から話を聞き、昔の自分はあやかしを視たことがあり、あやかしが視えなくなった悲しさから、祖母の家に寄りつかなくなったことを思い出した。
父もまた祖母の家にやって来た。家紋から藤が零れ落ちる姿を二人で眺めつつ、にきは父と話をする。父はあやかしが視えていないが、あやかしに肯定的な父の考えをにきは知ることとなる。
夏の終わりに、にきは祖母やつゆり、あやかしたちに別れを告げる。
夏休み中の大変だけれど楽しい日々を思い返しつつ、寂しい思い出や悲しい思い出だけではなく、楽しい思い出もたくさん詰まったあの場所へまた訪れたいと、にきは思うのだった。