あらすじ
忘却剤、飲めば記憶を忘れる事ができる薬が認可された世界。合コンの翌日、記憶を飲みすぎて無くしてしまった藤野慎は合コンで知り合ったという男、東條七生の部屋で目覚める。過去の祖父からの虐めから男性恐怖症の慎は酒が入っていない状態では男としゃべれないはずだが、なぜか東條といても怖くない。そんな自分に戸惑いながらも帰宅しようとするが、持ち物は財布以外紛失。自分のアパートでは無差別傷害事件が起きたという。危ないので遠くにいる藤野母に連絡し、東條の千葉にある実家に避難することになった藤野。そこで東條と日々を過ごすが、ある時些細なきっかけで自分が精神科に通っていたこと、忘却剤を飲んでいることに気が付く。東條を問い詰めると「今までのは全部嘘」だとネタばらしをされる。本来の藤野は東條と交際しており、母が事故で死んだのをきっかけに忘却剤を大量に飲み全てを忘れていた。事件も合コンも嘘で家族ぐるみで藤野を騙していた。最初は気に食わない奴だと思っていたが、一緒に過ごしていくうちに信用できるかもしれない、少なくとも悪い奴ではないと初めて男を信用していた藤野はショックを受けるが、それでも嫌いになれない。東條のために人格を取り戻すことを目標に手がかりを集めていくが、どうしても昔の恋人より今の自分を見てほしいと思ってしまう。手がかりを集め藤野は恋人のふりをするが、自分を見てもらえないのが耐えられず別れを告げ幼馴染の部屋の身を隠す。幼馴染から言い寄られているところを東條に見つかり、弁解をする藤野。東條は「もう近づかない」と言うが、藤野はそんな東條に「好きだ」と告白する。その日は東條の部屋に泊まり、想いが通じ合い身体をつなげる。次の日の朝、藤野はベランダにいる東條を見て、断片的に記憶を思い出し、今の自分と昔の自分は別人だけれど、それでも同じ人が変わらず好きだと再確認する。藤野と東條の新しい物語が始まる。