あらすじ
【第4回「G’sこえけん」音声化短編コンテスト「ボイスドラマ部門」応募作】
声優の夢に破れ、自分のすべてが嫌になった高坂綾菜。現実から逃れるように自転車を走らせた彼女が迷い込んだのは、活気と熱気に満ちた昭和四十八年の名古屋だった。
そこで再会したのは、かつて淡い想いを寄せた少年、石橋和也。しかし、モノづくりの夢を熱く語っていたはずの彼は、心を閉ざした文学青年へと変わっていた。
なぜ彼は夢を捨てたのか? なぜ、彼を想うほど未来への道は遠ざかるのか?
すべての鍵は、時を超えて綾菜と共にやってきた一台の古びた自転車――黒鉄色の「ケッタマシーン」に秘められていた。
これは、絶望の未来を変えるために始まった、切なくも温かい救済の物語。