あらすじ

月の光だけが照らす、異世界の狭間にひっそりと佇む喫茶店『月読茶房』。 そこで静かに茶を煎れる喫茶師・巫(かなめ)は、自らの過去の記憶を失った元・月の巫女。彼女には特別な力があった――それは、強い感情を伴う記憶を「茶葉」として結晶化し、一杯の茶として煎れることができるという不思議な能力。 月に導かれ、一か月にただ一人だけ訪れる客人たち。妹を探し続ける砂漠の青年、強制結婚から逃げ出したエルフの令嬢、感情を理解できない機械仕掛けの伯爵、記憶を失った獣人兵士……。彼らは皆、心に深い傷や悩みを抱えてこの茶房へとたどり着く。 巫は客人たちの記憶と向き合い、その想いを一杯の茶に込めて煎れる。スパイスティーの香りに包まれて蘇る妹との思い出、花茶に溶け込む自由への憧れ、紅茶に宿る初めての涙――。 しかし、他者の記憶に触れるたびに、巫自身の封印された記憶も少しずつ蘇り始める。かつて月の巫女として背負った使命、守れなかった大切な人、そして自ら選んだ「忘却」の真実とは。 各話完結の心温まるエピソードを楽しみながら、同時に主人公の失われた記憶の謎が少しずつ明かされていく連作形式。じわりと心に染みる癒しと、時に涙を誘う感動、そして記憶と向き合う勇気を描いた、大人のための異世界スローライフ・ファンタジー。 月明かりの下、一杯の茶から始まる出会いと別れ。そして最後に巫が選ぶのは、月へ帰る道か、それとも――。 あなたも月読茶房で、忘れていた大切な何かを、思い出してみませんか。

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カクヨム
カクヨム2025/07/10
  • 現在の作品記憶を煎れる異世界茶房 ~月の巫と癒しのスローライフ~