あらすじ
平凡なフリーターの空家翔吾(24)が目を覚ますと、そこは出口のない真っ白な部屋だった。
同じように閉じ込められたのは、彼を信頼する女子高生の海野香織(17)、寡黙なサラリーマンの川崎洋(37)、年下の翔吾に色目を使う山野めぐみ(48)の三人。
やがて、壁に浮かび上がった無機質な文字が、彼らに絶望的なゲームを宣告する。
『最も不要だと思う人を一人、投票してください』
最多票を集めた者は「追放」されるという死のルール。最初の投票では、全員で協力して同票とし、危機を回避したかに見えた。しかし、劣悪になる環境とタイムリミットが、彼らの心を蝕んでいく。
疑心暗鬼が渦巻く中、一人の過去が暴かれ、最初の犠牲者が生まれる。一人、また一人と姿を消していく極限状況で、翔吾は香織を守り抜こうと誓う。
だが、彼らを待ち受けていたのは、信頼や協力といった人間性を嘲笑うかのような、さらに残酷な選択だった。
これは、白い密室というフラスコの中で繰り広げられる、人間の尊厳を賭けた絶望的な心理戦の記録である。