あらすじ

清掃業者の面接を受けた青年は、自分のことをヤミ太郎と名乗り、マッドサイエンティストの父親に改造されたハイブリット(サイボーグ)だと話し、目からレーザー光線を出して見せた。彼は、本当の自分が何者なのか、思い出すことができない。  清掃の研修中に目にしたシラーの詩の最後の一節「やがて自らの姿を自由に変えていくのである」がヤミ太郎の目に留まる。   ヤミ太郎は、埋め込まれたAIチップによって「掃除」が使命であると思わされている。彼は、清掃の仕事をしながら、夜の街で、悪人と判断した人間に暴力制裁を加える。  ヤミ太郎は、清掃作業で訪れたビルで警備員をしている愛凪と出会い、愛凪の助けを借りて、わずかな記憶を頼りに、ある大学に行く。そこで、ヤミ太郎のことを「二十五年前に死んだ親友だ」と話す大学教員の名栗恭二と出会う。名栗に見せられた小学校の卒業アルバムを見て、ヤミ太郎は、記憶の一部を取り戻す。  ヤミ太郎は、住所を思い出そうとすると出てくる「東京都基礎情報隊黒犬ポーポー三丁目基地トーヨコ五角」という言葉の羅列を頼りに自分探しを始める。  ヤミ太郎は、名栗によって、幼い頃の友人だというゲンゲン、ノッピ、リュウに引き合わされる。ゲンゲンは、かつて民間軍事会社の戦闘員として、アフガンに赴いた経験があり、そこでの戦闘で両足を失い、拷問によってPTSDを患っているようだった。そして、ヤミ太郎と同じように、悪人とみなした人間に制裁を加えていた。  ヤミ太郎は、東富士演習場にある施設で共に過ごしたポーポーという友人がいたことを思い出す。施設では、榊原博士が指揮をとって、脳にチップを埋め込まれたヤミ太郎とポーポーの実験を行っていた。ヤミ太郎とポーポーは、サイキックを目覚めさせていた。  ヤミ太郎は、かつて、事故で瀕死の重傷を負った。そして、大学教授であった父の手によって人工冬眠を施されていた。  ヤミ太郎は、ポーポーとの約束を果たすために、名栗、愛凪と共に東富士演習場に向かった。そこで、陸上自衛隊のロボット部隊と戦闘になる。ロボット部隊の一体は、改造されたゲンゲンだった。名栗は、榊原にやとわれていて、ヤミ太郎をコントロールしていた。 榊原博士は、国を裏切っていて、ペンタゴンの特殊部隊とロボット部隊を引き連れて現れる。ヤミ太郎とポーポーに改造手術を行ったのは、二人の母である榊原博士だった。榊原博士は、ヤミ太郎の父の教え子だった。  陸自のロボット部隊、ペンタゴンのロボット部隊、サイキックを使うポーポーとヤミ太郎の三つ巴の戦闘の中でゲンゲン、ポーポーは、命を落とす。ヤミ太郎は、ポーポーが有翼の天使となって空に舞うのを見る。ヤミ太郎は、記憶を取り戻し、本当の自らに目覚め、光り輝く翼を広げた。

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カクヨム2025/07/10
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