あらすじ
美貌・才知・家柄、全てを兼ね備えた北の令嬢リュシエル。
唯一にして最悪の欠点――それは"料理"だった。
「大丈夫よ、今日は自信作なんだから!」
笑顔でふるまわれる彼女の料理に、使用人たちは血の気を引かせ、料理番の老女は腰を抜かし、若いメイドは震え出す。
けれど本人は気づかない。"とても喜ばれている"と信じて疑わなかった。
……そして、ついに婚約者の王子が倒れた。
結果――まさかの婚約破棄!
からの――国外追放!
一夜にして全てを失うことになる。
だが、彼女は立ち止まらない。
鍋と根拠のない自信を携え、森に入り、食材を見つけ、鍋に火をかける。
すると、何故か彼女の煮込まれた狂気のスープに、モンスターたちが集まり出して……?
「モンスターたちのご飯としても大人気みたい!」
まるで人間たちにも大好評だったかのように、彼女は誇らしげに胸を張る。
「やっぱり、私の料理って……人も、モンスターも、みんなを笑顔にできる力があるのね!」
追放された令嬢が目指すのは"料理の頂点"。
なのに、気づけば――『魔王』と呼ばれてました。