あらすじ
平凡な高校生、篠宮蓮が召喚された異世界エヴァンティア。
彼に与えられたのは神話級の力を持つ『勇者』の称号――そして、あまりにも理不尽な呪いだった。
『あなたの正体が“勇者”だとバレた瞬間、この世界は滅亡します』
案の定、最初の戦いで力を解放した彼は、感謝の言葉と共に「勇者様!」と叫ばれ、世界をガラスのように砕け散らせてしまう。
残された命(LP)はあと僅か。絶望的なタイムリープの中で、蓮は誓う。
今度こそ、誰にもバレずに、この世界を救い抜くと。
神から与えられた最強の力は、世界を滅ぼす禁忌の雷。
それを固く封印した彼が頼るのは、圧倒的な「武力」ではなく、戦場の理を読み解く異常なまでの「観察眼」と、時に仲間さえも利用する非情な「策略」のみ。
正体を隠し、平凡な支援職《サポーター》を演じる蓮。
しかし、仲間を勝利に導くほど、その「異常性」は鋭い疑念を呼び、正体発覚のリスクは高まっていく。
彼を無条件に信じ、その孤独に寄り添おうとする心優しい聖女。
彼の類まれなる「幸運」に目をつけ、国の駒として利用しようとする権力者たち。
そして、その力の根源に迫ろうとする、敵味方の恐るべき知性。
これは、英雄になれない男が紡ぐ、禁断の英雄譚。
果たして彼は、孤独な綱渡りの果てに絶望の運命を覆し、本当に守りたかったものを、その手に掴むことができるのか。
王道にして邪道な勇者の物語が、今はじまる。