あらすじ
「音楽、辞めたつもりだったんだけどな……」
中学最後のコンクールで金賞を取ったあと、少女・八戸眞緒(やえ・まきお)は音楽をやめた。
きちんと進路のことを考えて、地元の千代原高校に進学し、部活には入らず、将来のことを考えるはずだった。
……なのに、どうして自分は今、指揮台に立っているんだろう?
崩壊寸前の吹奏楽部。
ズレまくるテンポ。下手な指導。足りない楽器。足りない人。
金賞どころか、音楽とすら呼べない練習の日々。
それでも──「音楽がしたい」と思ってしまったから。
顧問より先に指揮を取ったのは、楽器を手放した少女だった。
少しずつ動き出す人間関係。音が、空気が、呼吸が、響きが変わっていく。
これは、一人の初心者指揮者による、小さな部活の革命の話。