あらすじ
**論理の果てに見えたのは、虚無か、調和か——**
完璧主義の物理学者・田村慎一は、論理的思考こそが世界を理解する最良の方法だと信じて疑わなかった。恋人・麻衣の祖母の死に際し、「感情的になっても祖母は戻らない」と発言した彼に、麻衣は告げる。「慎一くん、計算できない私の気持ちに価値はないの?方程式だけが世界じゃないよ」
研究での孤立、恋人との別れ、そして次元実験の暴走——すべてを失った慎一が召喚されたのは、七つの世界の中心都市「ネクシス」だった。
アルディアの魔法文明、ドラコニアのドラゴン帝国、シリコニアの AI 社会。それぞれが独自の物理法則を持つ世界を統治する「管理者」として選ばれた慎一。統合評議会の 11 名と共に、世界間の対立を調停する重責を担うことになる。
しかし論理だけでは解決できない問題が次々と発生する。感情豊かなエルダ、純粋論理のテクニカ、各世界の代表者たちとの交流を通じて、慎一は自分の限界を知ることになる。そして政治的孤立、仲間の離散、一つの世界の消滅——すべてを失った絶望の底で、慎一の心は静かに壊れ始める。
やがて現れるのは、500 年前に失踪した前任者ヴォイダス。完璧な論理の果てに虚無へと堕ちた彼は、慎一に告げる。「論理の行き着く先は絶望だ。お前もいずれ私と同じ結論に至る」
しかし慎一は、麻衣の言葉の真の意味を理解した時、新たな道を見出す。論理と感情の統合——それこそが真の調和への道だった。