あらすじ
夜、蒼い月が満ちているのならば。
屋内へ逃げなければならない。〈神渡〉が始まってしまうから。始まってしまえば、記憶を食われてしまう——。
夜、朱い月が満ちているのならば。
屋内へ逃げなければならない。〈鬼〉が現れるから。〈姫〉による殺戮が始まってしまうから。始まってしまえば、夜は穢れ、裏面に沈む闇に食われてしまう——。
夜、蒼い月と朱い月の両者が満ちているのならば。
死んだように、眠るが良い。
何も知らないふりをして、〈裏〉の住人と遭わないよう。穢れを伝染されてしまわぬよう。
相剋する二つの力の狭間にあるこの街に、一人の少年が妹を探しに迷い込んだ。
相剋の狭間で、少年が見たものとは——。