あらすじ
【児童書:第14回角川つばさ文庫小説賞への応募作品】
“神になる”――
人はそれを、生まれながらに選ばれた、特別な存在だと思っているかもしれない。
でも、実際はそんなに神秘的なものじゃない。
むしろ、ずっと人間くさくて、不器用で、迷いだらけ……。
特に、“神見習い”たちときたら、
まちがえるし、悩むし、失敗だってたくさんする、ちょっと困ったやつら――。
天界には、未来の“神”たちが学ぶ学校がある。
人間界で言えば……小学校や中学校のような場所。
その中でも、特に有名な“落ちこぼれ”コンビ――カミキとブツ。
カミキは、考えるより先に走り出す、元気いっぱいのトラブルメーカー。
ブツは、理屈で世界を捉える、冷静な頭脳派。
まるで正反対なのに、なぜかいつも一緒にいるふたり。
ある日、ふたりは大切な試験で赤点(0点)を取ってしまい、地上へとおくられてしまう。
「お前たちには人間界で三つの“実地試練”を受けてもらう」
カミキは人間界にわくわくし、ブツはさっさと試練を終えて帰るつもりだった。
そんなとき、ふたりは偶然、ひとりの少年と出会う。名前はエンジ。
エンジも“神見習い”だと勘違いしたふたりは、三人で試練を受けることに。
迷子の少女、商店街でのトラブル、秘密基地、小鳥のハク……
笑い合って、ぶつかり合って、助け合って――
三人の間には、少しずつ強い絆が生まれていく。
そして――とつぜん訪れる、大きな“選択”のとき。
「神」とは?
「誰かを救う」とは――いったい?
命、友情、記憶、そして“ほんとうの願い”。
それぞれの心に問いかけられる、大切な決断。
これは、“神見習い”の少年たちがすごした、ひと夏の物語。
きらきらしていて、でもせつなくて、どこかあたたかい――
そんな、かけがえのない夏の記録。