あらすじ
国語教師・一ノ瀬透は、言葉を大切にしながらも、どこか心を閉ざして生きていた。
かつて、教え子のひとりだった七瀬美月に抱いた淡い想い。
それを封じ込めたまま数年が過ぎ、新年度、彼のクラスに彼女の妹――七瀬結咲が入ってくる。
成績優秀な理系女子。
無口で感情を見せない彼女は、姉とはまったく違うようで、どこか似ていた。
最初は懐かしさだけだったはずが、言葉を交わすたびに、触れてはいけない感情が芽生えていく。
一方、結咲も知っていた。
姉と先生の間に、名前のつかない何かがあったこと。
それでも、目の前の“先生”に惹かれてしまう自分を止められずにいた。
「先生、これは恋ですか? それとも、ただの誤差ですか?」
禁じられた距離、揺れる心、消せない過去と向き合いながら、
言葉にできない想いを探していく、静かで切ない学園恋愛小説。
〜主な登場人物〜■ 国語教師(主人公/文系)
一ノ瀬 透(いちのせ とおる)
・30歳目前の国語教師。冷静で優しいが、どこか孤独を背負っている。
・高校時代に受け持っていた美月に淡い恋心を抱いていた。
・現在は、その妹である結咲の担任。
■ 理系女子高生(ヒロイン)
七瀬 結咲(ななせ ゆさ)
・高校2年、理系クラスに所属。数学と物理が得意。
・無口で人との距離をとるが、言葉に対して強い感受性を持つ。
・姉・七瀬 美月のことを尊敬しつつも、ずっと超えられない影を感じている。
■ 姉(過去の教え子)
七瀬 美月(ななせ みつき)
・大学生。かつて一ノ瀬の教え子だった。明るく社交的。
・一ノ瀬にとって「教師としての理性」を試された初恋のような存在。
・結咲とは正反対の性格だったが、深い姉妹愛がある。