あらすじ
四月一日、地方都市・桜丘市。遅刻寸前の高校二年・祥平は、転校初日の彩心と校門で出会い、互いの心拍が奇妙に同期する。同時刻、校内の旧温室のガラスに“もう一つの街”が映り、現実に重なる異界〈鏡界〉への扉が開いた。〈鏡界〉では人間の感情が結晶化し、刃や盾、結界へと姿を変える――面倒くささを短剣〈器用迅刃〉に変える祥平、物理法則を光文字で固定する彩心の〈論理結界〉、勝利しか見ないエース優也、仲間の心を聞く瑠美、試作ギア狂の翔大、作戦図を描く千紗。さらに、長文で感謝を述べる留学生メキーと、感情音痴なのに誰より優しいアレクサンドラも加わり、即席チーム〈共鳴隊〉が結成される。
だが、鏡界を利用して弱者救済を謳う組織〈零視点〉が現れ、世界崩壊まで“六十日”を刻む「六十重ノ鐘」の停止をめぐり対立。鐘が鳴るたび現実側の街並みが鏡面化し、住民は混乱と恐怖に包まれる。敵味方が交錯する中で、感情を否定する彩心の暴走、優也の裏切り、瑠美の共感崩壊など、仲間同士の絆も激しく揺さぶられる。
残された猶予は六度鳴り終えるまで。〈共鳴隊〉と〈零視点〉は敵なのか、それとも未来を拓く両輪なのか。