あらすじ
月瀬本家の一人娘が声をなくした。
心理カウンセラーとして修行の身の昭仁(あきひと)は、東京から遠く離れた山間の村にある本家に呼び出され、彼女の声を取り戻すことを厳命された。
己にできるだろうかと悩む昭仁に、
「――――兄さん、僕、男ですから」
そう言ったのは、声をなくしたはずの本家令嬢、月瀬朔良(さくら)そのひとだった。
彼は男でありながら女として生きることを頭首に強いられていた。
困惑していた昭仁だったが、朔良とともに暮らしていくなかで彼のひととなりや心情を知っていく内に朔良を支えたいと思うようになっていく。