あらすじ
〔世界観・設定〕
現代の県立高校を舞台にした、多視点で綴られる青春群像劇です。「部活にすべてを懸ける高校生たちの青春」と「一途で切ない恋模様」をテーマにしています。
野球部の少年と、バスケ部の少女。部活に懸ける日々の中、少しずつ育まれていく想い。
そんな「言えなかった想い」を、詩集のように丁寧に編みました。
――願わくば、同じ君へ。
そんな想いをここに閉じ込めました。
〔あらすじ〕
同窓会の為に実家に帰ってきた瀬山遥は、思わぬ懐かしさに胸が苦しくなる。あの頃の全てが尊くて愛しい、空の向こうに思い描くのは、君の声と笑顔だった。渡せなかった手紙を胸に、瀬山は明日の同窓会に向かっていく。
時間は遡り十年前、神奈川県立雪が丘高校に通う1年生・佐々木葵斗は、入学早々、硬式野球部の練習に胸を躍らせていた。真面目で不器用な彼は、甲子園に憧れを抱く純朴な少年だ。そんな彼が、一人の女子生徒──バスケ部の瀬山遥に目を奪われることから物語は静かに始まる。
瀬山遥は、女子バスケ部で、一目置かれる存在だった。しかし、部活に邁進する心の裏には、過去の失敗やトラウマ、理想と現実とのギャップ、そして心の奥にしまいこんだ想いがあった。朝練終わりの数分、部室棟の階段で話すようになる二人は、お互いに絆を深めていく。
互いの自分の気持ちに気づいていながら、それでも「今は選べない」と決断する、彼らの想いは日々何気ない仕草や会話に紛れてゆく。
手作りのチョコ、降りしきる雨、後夜祭の花火──そうした一つひとつの出来事が、かけがえのない時間として、積み重なっていく。
十年後、物語は再び、大人になった佐々木葵斗の視点で幕を閉じる。あの日の想いを届けるために、彼は電車に乗る。あの日の自分を超えるために。
その先に待つのは、変わらぬ笑顔の瀬山遥だった。
彼らの「想い」は、時を超えてひとつになる。
願わくば、同じ君へ。
部活動と勉強、進路と将来、そして恋愛──すべてに真剣だからこそ、誰もが不器用で、傷つきながらもまっすぐに歩こうとする。その姿が、時に尊く、時に切ない。
〔登場人物〕
・佐々木葵斗:主人公。真面目で不器用な野球少年。
・瀬山遥:主人公。女子バスケ部エース。内に傷を抱える少女。
・十条逸:通学の電車で瀬山に一目惚れした名門私立男子校の生徒。佐々木とは幼馴染。
・高橋徹:佐々木のクラスメイトでバスケ部。佐々木とは親友。瀬山のクラスメイトの梅崎里奈を好きになる。
・佐藤ももか:瀬山のクラスメイトでバスケ部。気さくな女子。
・真田陽太郎:気象事象に興味がある、野球部員。