あらすじ
貴族は、夢を見ることを“許された”。
平民は、夢を見ることすら“許されなかった”。
灰の積もる街で、少女は“名前”も“未来”も持たずに、ただ静かに暮らしていた。
声を上げることも、何かを望むことすら、遠いもののようだった。
けれど、それでも彼女は、小さな“選び”を積み重ねていく。
その先に、彼女は名を得る。――“カルコサ”という、小さな確かさを。
そして、彼女の内にあった力が、静かに目を覚ます。
それは奇跡でも、魔法でもない、“理を変える力”。
命を救い、心を繋ぎ、この世界の片隅に、少しずつ居場所をつくっていく力だった。
与えられたのではない。
拒まれ、奪われながらも、“選び続けた”ことで紡がれていく物語。
“夢を見てもいい”と、自分に言えるようになるまでの――
ひとりの少女の、静かな歩みの記録。