あらすじ
名もなく、祖国もなく、目的すらないまま――
それでも、世界はまるで彼の歩みを待っていたかのようだった。
沈黙の戦争が大地を蝕み、
信仰を喰らう魔物が跋扈し、
遥かな時の彼方から神々が見下ろすこの地で――
一人の少年が、灰の中から立ち上がる。
彼には、継ぐべき血もない。
復讐も望まず、栄光を求めることもない。
だが、彼の歩みの先では、古の残響が目を覚まし、
扉が軋みながら開き始め、
そして――
すべてを喰らうはずの「時」ですら、その歩みにためらいを覚える。
──天と地獄が激突するその刻、
瓦礫の中に刻まれる名は、誰のものか。