あらすじ
私の旅は、自分から、未来から、全てから逃げるための、ただの逃避行になるはずだった。
――二つの月が浮かぶ、もう一つの日本に迷い込むまでは。
高校を卒業し、未来への答えを見つけられず、あてのない旅を続けていた少女・東雲 旭(しののめ あさひ)。
彼女が迷い込んだのは、現代日本と瓜二つでありながら、どこか色褪せ、人々の心の闇「錆」に蝕まれつつある、現実の日本と似ているが何か違うの世界――「裏日本」
神の使いを名乗る、生意気な三本足の導きの烏(からす)に告げられた使命は...
愛車のキャンピングカーが、神代の船「天鳥船(あめのとりふね)」へと姿を変え、旭は日本各地の神域を巡る旅へと出発する。
その行く手には、世界の停滞を目論む、謎の暗躍する断絶者(だんぜつしゃ)たちの、冷たい視線が待ち受けていた。
力なき少女にできるのは、ただ、古の和歌を詠むことだけ。
しかし、その言霊の力が、仲間との絆と結ばれる時、奇跡が起きる。
これは、逃げ出した一人の少女が、仲間と共に、この国の、そして、自分自身の、本当の美しさを見つけ出す、「再生」の物語。