あらすじ

自然豊かな場所、白雲町(しらくもまち)。広大な海と山を見渡せるその絶景は、日本の原風景と現代とをつなぐ懸け橋になっている。そんなマイナスイオンたっぷりの町には、たった一つの高校がある。生徒数は年々減少し、少子化の影響を如実に受けているが、創立六十年を超える伝統校である。  道下登くんは、その高校に通っている一年生。この地域の自然や風景をこよなく愛していて、想像力がとても豊か。そして、空を見上げるのが好き。青空に魅せられる少年の心は、燦然と輝く星々のようにきらめいている。  そんな彼と同じクラスの生徒である、風咲澄花さん。彼女も道下くんと同じく、自然あふれるこの町を至極気に入っていて、綺麗な風景を眺めるのが大好き。ついつい写真を撮ってしまうらしい。  道下くんは風咲さんのことを小学生の時から知っているが、あまり関わりのない存在だった。しかし、ある日を境に、道下くんは風咲さんによく話しかけられるようになり、急激な環境の変化に戸惑いつつも、あまりにも尊すぎる彼女の言動に、彼は心の中でひそかに狂喜乱舞するようになる。  そんな折、新緑が芽吹き始めた真新しい五月、待ちに待った親睦遠足の日が近づく。風咲さんおすすめの駄菓子屋さんで買い物をして、遠足の準備は万端。心の底から喜んで見える彼女の様子に、道下くんの心の中はもうお祭り騒ぎ。  そして迎えた、二人きりの遠足。これ以上ない幸せに包まれた彼は、目の前の風景がいつにも増して綺麗なことに気付く。  遠足明けの月曜日。いつも通りの高校生活に戻っても、道下くんは相変わらず幸せを感じている。お昼の放送にゲストとして呼ばれた彼は、すぐ目の前にいる風咲さんに緊張しっぱなし。  放送を終えて見据える窓の向こうには、あまりにも明るく爽やかな青空と、その上を一目散に翔けていく飛行機雲。そして、時折吹き込んでくる、初夏薫る風。  終わり際にかかり始めたアップテンポな楽曲と歌声が、道下くんの物語をさらに後押ししていく。

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カクヨム
カクヨム2025/07/23
  • 現在の作品ただ、それだけのこと