あらすじ

生化学だけが歪に発達した世界。 森の奥深くに、一人きりで生きる「わたし」がいる。 静かに暮らすわたしは、『生体術』によって植物を操り、自給自足の生活を送っていた。 森では『神の鳥』の鳴き声が響き、孤独な日々をささやかに慰める。 わたしは、誰も取りに来ることのない手紙を、ポストに入れ続けていた。 かつて、森のふもとには村があり、人々が住んでいた。 「わたし」ルタ、男友達のユツキ、女友達のヒイナは、幼い頃いつも一緒だった。 森の奥には、『神の鳥』と呼ばれる絶滅寸前の鳥がおり、三人はその巣を見守っていた。 その鳥は伝承によれば、村の守り神であり、罪を罰する存在。 成長したわたしは村を出て都市の学校で学び、失われゆく動植物を救うため『生体術』の研究者となる。 それは、バイオテクノロジーと呼ばれる技術に近い何か。
 ユツキもまた学校で術を学びたかったが、願いは叶わなかった。 数年後、鳥の声に導かれたわたしは、故郷へと帰り、ユツキとヒイナに再会した。
 しかし、仲睦まじい二人の姿を見て、わたしはようやく気づく。
 ユツキを想っていた気持ちに。 その頃村には、自然からエネルギーを搾取する『工場』の開発の波が迫っていた――

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カクヨム
カクヨム2025/07/23
  • 現在の作品森に鳴くもの