あらすじ
この世界《エルヴァ》は、目に見えぬ概念の波で構成されている。
それは信念や感情、記憶といった抽象的な力であり、人々の存在を静かに支えていた。
神とは、意志を持たぬ“概念”そのもの。そして、加護とは、その波と深く共鳴する者の内に宿る、魂のしるしである。
風は自由を象徴し、勇気は進む意志を示す。
その波が、世界に意味と流れを与えていた――けれど、それが、静かに歪み始めていた。
物語の始まりは、小さな村《ルル》。
魔法使いの少女・ミナは、暮らしの中で風の乱れを感じ始める。言葉にできない違和感。流れるはずの風が、止まりかけていた。
そしてもう一人、加護を持つ少年・ヨウ。
彼は“勇気”の加護を生まれながらに宿し、「いつか魔王を倒し、英雄になる」という夢を持っていた。
日常の中で、微かな異変が村に影を落とす。
風が流れにくくなり、加護が静かに震え、そして異常は現実となる。