あらすじ
🔴『与那国島の紺野二佐』までのあらすじ
シリーズ「雨の日の美術館 Ⅰ、美香編」(https://bit.ly/45DKmTh)の紺野一佐(この時点では4年後で二佐に昇格)、公安警察の富田も登場。
2025年初冬、ウクライナ戦役が膠着状態の中、ロシア連邦東部軍管区(旧極東軍管区)は突如北海道北部と佐渡ヶ島に侵攻。総責任者は東部軍管区ジトコ大将だった。北海道はダミーで狙いは佐渡ヶ島のガメラレーダーであった。これは中国の南西諸島侵攻と台湾侵攻を援助するための密約のためだった。同時に北朝鮮は38度線を越え、ソウルを占拠した。在韓米軍に対しては戦術核のパルス攻撃で米軍を朝鮮半島から駆逐、日本に退避させた。
その中、欧州ロシアに対して、東部軍管区ジトコ大将はロシア連邦からの離脱を決断、中央軍管区と図ってオビ川以東の領土を東ロシア共和国として独立を宣言、日本との相互安保条約を結んだ。
佐渡ヶ島侵攻(通称サドガシマ作戦、Operation Sadogashima)の副指揮官はジトコ大将の娘エレーナ少佐だ。エレーナ少佐率いる東ロシア共和国軍女性部隊2千人の活躍で、北朝鮮のホバークラフトによる上陸作戦は阻止された。
その数ヶ月後、中国の南西諸島侵攻と台湾侵攻を察知した日本国政府からの要請で、佐渡ヶ島に派兵されていた強襲揚陸艦オスリャービャとペレスヴェートの二隻と超大型ホバークラフト五隻が日本に貸与された。小艦隊は12式地対艦誘導弾、03式中距離地対空誘導弾を佐世保で搭載、沖縄本島と南西諸島に輸送する任務を与えられた。
指揮するのは、サドガシマ作戦で活躍したソーニャ准尉、アニータ・スヴェトラーナ両少尉。単なる兵器の輸送と思って熱帯の島への観光気分で出発した彼女らだったが・・・
🔴『与那国戦役の広瀬二尉』のあらすじ
石垣島のソーニャ准尉 (近未来戦記②)(https://bit.ly/4ej3BEg)、第3章 イシガキへ、第18話 楊少校の居室(https://x.gd/YXXMb)のエピソードで、
ロシアのスパイである金容洙(キム・ヨンス)少尉が楊欣怡(ヤン・シンイー)少校に尋ねた。「(与那国島・石垣島・宮古島戦役は)武力紛争から戦争状態に発展する事態でしょう?どのような理由で石垣島に侵攻するんですか?武力紛争法(戦時国際法、国際人道法)に抵触しないでどう石垣島を攻めるのでしょう?」と。
「それはどうにでもこじつけられる。ロシアがウクライナでやったように。沖縄県は我が第一列島線の内側にある。有史以来、中国の冊封体制に琉球王国は組み入れられていた。それが日本領土の沖縄県として大日本帝国に編入されたのだ。これを琉球処分と呼ぶが、この琉球処分や敗戦によるアメリカ統治後の沖縄返還は国際法上の根拠はない。我が中国の解釈では沖縄には合法的主権がないのだ。そして、元々の琉球王国の時代より、中国は沖縄諸島に主権を有している」と平然と答える楊欣怡。「容洙、そんなものは後付でいくらでも説明ができるわ。国際裁判所などが我が中華人民共和国にあれこれ指図できるわけはないわ」
彼女の狡猾な初期の開戦ではこのように進展する。
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領海は、領海の基線からその外側12海里(約22km)の線までの海域で、沿岸国の主権は、領海に及ぶわよね?ただし、すべての国の船舶は、領海において無害通航権を有する。領海は、沿岸国の基線に沿う一定の幅(「国連海洋法条約1982年4月30日採択」では、基線から12海里をこえない範囲)の帯状の水域。陸上の領土の従物としての海。まさに、領土の一部よね。
次に、接続水域は、領海の基線からその外側24海里(約44km)の線までの海域(領海を除く)で、沿岸国が、自国の領土又は領海内における通関、財政、出入国管理(密輸入や密入国等)又は衛生(伝染病等)に関する法令の違反の防止及び処罰を行うことが認められた水域。
領海の侵犯は国家主権への挑戦だそうよ。我々の知ったことではないけどね。領海内では、一定の条件のもとに無害通航権を認めているけど、沿岸国の立法管轄権、執行管轄権が全面的に及ぶ。
しかし、海は陸と違って、たとえ領海内であっても、船舶の航行にとっては必要不可欠な『道』。ここを閉ざされては世界の自由な交易や交流はできない。そこで、海洋法条約19条により、外国船舶に対し、無害通航権を認めている。
無害通航のためだけに認められるのだから、通航は、平穏に、しかも、継続的かつ迅速でなければならない。そして、停泊、投錨は、通常の航海に付随するか又は不可抗力若しくは遭難により必要とされる場合又は危険若しくは遭難に陥っている人、船舶若しくは航空機を援助を与えるために必要とされる場合に限り、通航に含まれると定められている。したがって、海洋法条約18条2項により、航路は沿岸に沿って進むことになるが、内水に出入りする場合は、当然、沿岸国の港湾施設に向かって航行することが認められる。
沖縄と宮古島の間の宮古海峡の距離は約300キロ。領海外、接続水域外でもある。だから、この海峡は当然、外国船舶に対し無害通航権が認められる。ただ通過するだけなら。だから、台湾侵攻部隊の第一艦隊は台湾海峡を、こちらの第二艦隊は宮古海峡を目指す。そして、第一艦隊からは与那国島侵攻艦隊が東に転進、第二艦隊の石垣島侵攻艦隊と宮古島侵攻艦隊は西に転進する。領海外、接続水域外ギリギリで航路を取る。手間がかかるけど仕方がないわ。そして、与那国島、石垣島、宮古島正面の接続水域外で航続距離の短いホバーを出す。726型エアクッション揚陸艇だ。
我々の071型揚陸艦は726型エアクッション揚陸艇を4隻積載できるから、与那国島部隊の071型揚陸艦1隻で千名、石垣島、宮古島部隊の071型揚陸艦2隻ずつで各二千名を運べる。接続水域44キロは、速度74キロで36分で走破可能。
そこで、726型エアクッション揚陸艇が18分で接続水域を突っ切り、領海内に侵入。陸地までは残り18分。バカな海上保安庁巡視艇、護衛艦、空自の哨戒機、ヘリなどは領海侵入を通告。五度くらいするはず。それで威嚇射撃をする。その威嚇射撃の弾幕にわざと突っ込ませる。1隻だけでいい。これで、最初に敵対行動を取ったのは日本国だと言い張れるのさ。相手は、海上保安庁、防衛省、首相官邸などの腰抜け共に確認や承認をしている間に、我が揚陸艇は岸に乗り上げ、陸戦隊と陸戦車輌を上陸させられる。
専守防衛とか、憲法九条とか言っているバカはこうなる運命だ。上陸作戦は逐一ビデオにとって、都合のいい部分だけ編集して、中国国内放送、海外放送、Youtubeで全世界に流してやるのさ。本来の我が第一列島線の中の沖縄列島を違法に占拠し続けている日本国から我が国固有の領土を奪還する、ということ。
上陸後は、余計な民間人は日本政府に引き取らせて、占領区域は、敵レーダー基地、レーダー車輌、ミサイル基地、空港、港湾施設のみとする。その他の民間区域は放置しても問題ない。なにせ、沖縄よりも寧波ニンポーの方が近いくらいさ。
在日米軍は、沖縄本島の自分らの基地のある区域が攻撃されなければ、事を荒立てたくないはず、中国に対する戦闘行為はしないだろう。武器供与程度はするかもしれないが、南西諸島に手を出してはこない。
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石垣島には、佐渡ヶ島戦役以来、紺野のチームに好意的なテレ東の卜井アナのマスコミチームの他に、NHK・テレ東以外の民放合同チームが来ていた。MCには有名な美人アナの佐藤彩香がいた。彼女は強固な反戦左寄りの姿勢で取材を進める。
このようななし崩しの開戦を予想した羽生二佐は、「有名な美人アナの佐藤彩香も一役買ってもらおうか?卜井アナのチームばかりの映像と中継だと、今までの経緯で御用マスコミ扱いされて報道が信用されない恐れがある。その点、反戦左寄りの佐藤彩香も卜井アナと同じ場所で報道をすれば信憑性もます」と紺野二佐に言う。
「勝機が見えないんだろう、紺野?おまけに相手は中華人民共和国だ。悪辣なことをしても知らぬ存ぜぬで有耶無耶にする。報道で流すのは自分たちの都合のいいことばかり。日本国が正直に真正面から四つに組む相手じゃない。日本国も狡猾で悪辣にならないと国際世論を味方に付けられない。おまけに、中国はサラミ戦術でなし崩しに戦闘に持ち込んで、宣戦布告なき戦闘、武力に依る根拠のない日本国土の占領を行うに違いない。それを逆手に取るんだよ。エレーナに協力してもらって。というより、まず、東ロシア共和国軍から動いてもらう。ジトコ大将にも了解してもらって。さあ、どうなんだ?」
「しかし・・・」
「日本側では、俺とお前だけが知っていれば良い。卜井たちにも内緒で無意識の内に演技してもらおう。もちろん、佐藤彩香のチームもな。実情を知らないヤツラだ、迫真の報道ができるぜ。エレーナ少佐、アニータ・スヴェトラーナ両少尉、そして賢いソーニャ准尉とカテリーナ伍長他数名が知っていればいいことだ。JFK暗殺と同じで、俺等が口をつぐんでいれば、このことは闇から闇に葬れる。紺野、お前の責任も問われないし、このこと自体で誰も死なない」
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こうして、先頭諸島の中でまず最初に、中国人民解放軍と自衛隊・東ロシア共和国軍との与那国島での戦闘の火蓋が切られようとしていた。
🔴登場人物
●東ロシア共和国
エレーナ :東ロシア共和国、東部軍管区陸軍少佐
アデルマン :東ロシア共和国、東部軍管区陸軍大尉
アナスタシア :東ロシア共和国、東部軍管区陸軍少尉
アニータ :東ロシア共和国、東部軍管区陸軍准尉
スヴェトラーナ:東ロシア共和国、東部軍管区陸軍准尉
土屋と本間 :佐渡ヶ島島民、アニータとスヴェトラーナの夫
ソーニャ :東ロシア共和国、東部軍管区陸軍准尉、
コリアン族(朝鮮族)のロシア人、
広瀬二尉の婚約者
カテリーナ :東ロシア共和国、東部軍管区陸軍伍長
●自衛隊佐渡ヶ島空自分屯基地
鈴木三佐 :航空自衛隊二等空佐、エレーナ少佐の婚約者
小野一尉 :航空自衛隊一等空尉、アデルマン大尉の婚約者
南禅久美子 :航空自衛隊二等空佐、防衛省防衛装備庁航空装備研究所
所属、尾崎・遠藤の同僚
羽生健太 :航空自衛隊二等空佐、防衛省防衛装備庁航空装備研究所
所属、尾崎・遠藤の同僚
●自衛隊南西諸島守備統合部隊
紺野美千留 :航空自衛隊三等空佐、自衛隊情報保全隊調査第2部、
内閣情報調査室出向、統合部隊指揮官
富田 :公安警察、沖縄県の親中国反日本活動の調査担当、
紺野とチームを組む
卜井、藤田、佐々木:佐渡ヶ島作戦からのマスコミクルー
●自衛隊、先島諸島防衛水陸機動団
広瀬二尉 :東ロシア輸送船団に同乗する陸自水陸機動団の指揮官、
ソーニャ准尉の婚約者
畠山三佐 :鈴木の同期、水陸機動団指揮官、広瀬二尉の上司
尾崎紀世彦:防衛省防衛装備庁航空装備研究所上級技師、ミノルの上司
比嘉美香 :尾崎の恋人。石垣島出身の建築設計事務所勤務
遠藤実 :尾崎の部下。防衛省防衛装備庁航空装備研究所技師
遠藤早紀江:遠藤実の婚約者、高校3年生
時任純子 :氷川神社の娘、長女
時任直子 :氷川神社の娘、次女
吉川公美子:小料理屋分銅屋の女将さん
後藤順子 :高校3年生で傷害事件で中退、分銅屋のアルバイト
節子 :高校2年生、分銅屋のアルバイト
田中美久 :北千住の不動産屋の娘、元ヤン。大学1年生
●中華人民共和国、人民解放軍
楊欣怡少校:ヤン・シンイー、人民解放軍海軍所属、在日中国大使館武官
金容洙少尉:キム・ヨンス、人民解放軍海軍所属、日露のスパイ
●中華民国
蔡英文 :中華民国総統
陳寶餘陸軍大将:中華民国国防部参謀本部参謀総長