あらすじ
ある休みの日。蔡は管狐であるユダの好物のいなりあげを買うために街に出かけていた。そのときに運悪く、ガラの悪い男たちに絡まれてしまう。
通行人はみな、見て見ぬふりをして助けてくれる者はおらず、やはり人間は碌な存在じゃないと絶望していた。
そんなとき、艶やかな黒髪を背中まで伸ばし、燃えるような紅い瞳が目の前の男たちを鋭く睨む。
「おい! 何をやっているんだ。お前たち」
「お、お前こそ何だ!!」
「それは俺の台詞だ。女相手に寄ってたかって恥ずかしくないのか」
冷たくもどこか温かいそんな雰囲気を醸し出した朝霞を蔡はどこか遠くけれど、近いようなそんな感覚を覚えていた。