あらすじ
スターツ出版文庫賞【恋愛部門】受賞しました!
それは目の前にいる少女の質量の何百倍も大きく、全てを呑み込むような轟音と共に少女の命を一瞬で奪った。
高校3年生の春だった……
とても大切な人だったのに、伝えたい言葉もあったのに。思いを伝えられないまま少女は俺の前から忽然と姿を消す。
季節は冬になり、もうすぐ卒業。
俺は卒業生答辞を任された。心の傷も癒えないまま、俺の高校最後の1年は終えようとしている。そんな状態で答辞なんて大役が務まるとは思えない。
早めに断ろうと考えていると、ふと窓にいるはずのない少女の姿が映った……気がした。
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「何で皆は私のことを忘れていくのっ……!!」
「俺がお前の事を覚えてられるのは
あと15日」
「私と貴方は背中合わせでもあり一心同体。貴方の次が私」
「頼む、辛いとは思うけれど……お前も一緒に卒業するはずだった、俺達の卒業式を見に来てくれ!」
時の流れの中にいる少年と、時の止まった少女。2人の思いは交錯する。
もう叶う事がなくなったなくなった恋の行方は…………
「さようなら……大好きだったよ」
少女は泣きながら遠くを歩く少年の背に向けて呟いた。
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「卒業生答辞。卒業生代表、籠谷 晦人」
「はい!」
3月になったとはいえ、北海道はまだまだ寒い。
俺は自分の名前を呼ばれ、真っ白い息を吐きながら返事をして立ち上がり登壇する。
しんと静まりかえる体育館を見渡し、少女の姿を確認した。
そして、あんなに憂鬱だった答辞を読むために、大きく息を吸い込む。
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2017年5月12日 改稿開始
2017年6月28日 改稿完了・完結