あらすじ
【カクヨム恋愛小説大賞 ナツガタリ'25(和風ファンタジー×契約結婚)応募作品】
帝都などの栄えている町は文明開化が進み、ガス灯の普及により闇が後退し、妖は現れなくなっていた。しかし文明開化の波が届かない土地ではいまだ妖に悩まされている。紅里野村(くりのむら)もそのひとつだった。
紅里野村は古より夜叉と契約することで妖の害を免れてきた。夜叉は結界を越えず雑鬼や妖蟲を獲ること、紅里野村は100年に一度贄として嫁を差し出すこと。夜叉の頭領は人の生き血を吸うことでその力を維持することができるのだった。
前の嫁入りから100年後。紅里野村から一人の乙女が嫁入りする。
心優しく面倒見がよく、責任感の強いしっかり者の娘・美緒は、ただ一人の家族である妹や村人を救えるならと自ら贄嫁となった。
気丈な美緒は夜叉に囲まれて暮らしても怯まない。そのせいで夫となった夜叉の頭領・残月とは諍いが絶えなかったのだが……