あらすじ
何でも及第点程度のことはできる代わりに突出した才能を持たない姉のひかるとバスケにだけ類まれなる才能を持っている妹のひより。真実から目を背け続けることで心がすれ違っている姉妹が、周りの人に協力してもらいながら様々な問題を乗り越えていく青春ストーリー。
物語はある一つの事故から始まる。その事故は二人にとって果たして始まりだったのか、それとも終わりだったのか。姉の物語は事故の一年前から事故当日までを、妹の物語は事故発生からその後の一年間を。二つの物語は時間軸を異にして交互に描かれる。
姉は自分に居場所がないことを自覚していた。妹にのみ向けられる両親の興味。妹へのコンプレックスには気付かない振りをし、「お姉ちゃんだから」という魔法の言葉で絶えず自分を鼓舞し続けていた。だがその魔法の言葉はいつの間にか呪いに変貌し、追い詰められた姉は絶望の果てに自殺未遂を起こす。
自殺未遂を機に大きく環境の変わった姉は、強い人間に変わろうと決意する。恋人の頼みで関わった映画撮影を通して、少しずつ見えてくる未来の自分。そして映画完成の数日後、姉は例の事故に遭う。
一方、妹は姉を恨んでいた。事故に遭った際、姉に突き飛ばされたことで唯一の拠り所だったバスケを失ったからだ。妹は再起を図るため単身アメリカに渡った。だがそこは色もなく、死んだはずの飼い猫が現れるような不自然な世界だった。妹はその世界で、真実から目を背け続けることで多くの後悔を重ねていく。多くのものを失い続けていく。
やがて起きた大きな事件により、妹はその世界の真実を知る。果たして妹が知った世界の真実とは一体何だったのか。妹は、そこから立ち直ることができるのか。
すれ違い続けた姉妹が、見えていなかった、あるいは目を背けていたお互いの真実に辿り着いたとき、そこから本当の物語が始まる。