あらすじ
元・地下格闘技の絶対王者、カイ。
観客はその圧倒的な強さに酔い、対戦相手は次々とリングに沈んでいった。
歓声に包まれた勝利の裏で、彼の胸には虚しさと違和感が積もっていた。
ある夜、試合後に対戦相手が死亡。
「これは競技ではなく、殺し合いだった」――その事実を突きつけられたカイは、突如リングを去り、姿を消した。
それから数年後。
地方の港町で漁師として静かに暮らす彼のもとに、一人の若者が現れる。
「俺は、あんたに教わりたい。拳の意味を――強さの意味を」
彼の拳は未熟だが、愚直で真っ直ぐだった。
その姿に、カイはかつて自分が捨てた“闘う理由”を思い出し始める。
やがて、地下格闘界では違法ギャンブルを伴う新たな組織が台頭し、
「無敗の亡霊」――カイを再びリングに立たせようとする者たちの影が動き出す。
カイは再び拳を握る。
これは復讐ではない。
これは懺悔でもない。
これは、“強さ”の意味を問い直すための、最後の戦い――。