あらすじ
高校生の森川の右手首に、ある日突然「動かない時計」が現れる。やがて彼は、現実には見えない存在――青い「夢行き電車」に気づき、時計を持つ少女・水野に導かれて不思議な旅へと出発する。行き着いたのは「時間の駅」。そこには、自分の時間から外れてしまった者たちが集い、それぞれの「止まった時間」の意味を見つめ直していた。
森川は水野や仲間たちと共に「記憶の図書館」や「時間の庭」を巡り、自分が忘れていた大切な瞬間――文化祭での輝きと生きる実感を思い出していく。そして水野もまた、過去の失恋という痛みを受け入れ、もう一度その瞬間に戻る選択をする。「戻る」ために、それぞれの電車に乗り込み、過去に向かって旅立つ彼らは、時間とは何か、人生とは何かを知る。
現実に帰った森川は、水野と再会し、新たな関係を築いていく。やがてふたりは大人になり、再び青い電車に乗って「時間の駅」へ。自分たちの経験を他者へとつなぐ存在として、今度は未来へ向けて歩き出す。「片道切符」だと思っていたその旅は、人生を豊かにする往復切符だったのだ。
シリーズを通して描かれるのは、記憶と時間、痛みと成長、そして新しい希望。すべての瞬間が特別であり、永遠であるということを教えてくれる物語。