あらすじ

ひいおばあちゃんのお葬式の日、柳原光一は、古い和室で一本のハーモニカを見つけた。 それは、かつてひいおばあちゃんが大切にしていたもので、今ではもう音も出ないような壊れた楽器だった――はずだった。 だがそのハーモニカには、不思議な存在「お琴」が宿っていた。付喪神(つくもがみ)になりかけた少女の姿をした彼女との出会いから、光一の日常は、少しずつ変わっていく。 壊れた懐中時計の“爺様”、古びた眼鏡に宿る“清さん”――お琴の仲間たちとのふれあいの中で、光一は、人に見えない存在たちの世界を知っていく。 けれどその一方で、赤い手毬に姿を変えた悪霊が現れ、光一たちに襲いかかってくる。 それは、ただの怪異ではなかった。誰かの強い想いが、怒りと悲しみに染まり、形を持ったものだったのだ。 恐怖に立ちすくみながらも、光一は大切な人たちを守るために決意する。 付喪神たちの導きと、千手観音様の力に支えられながら、光一は自分の中に眠る不思議な力を少しずつ目覚めさせていく――。 これは、少年と道具たちの出会いが生んだ、やさしくて、少しこわくて、どこか懐かしい、ひと夏の物語。

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カクヨム
カクヨム2025/07/01
  • 現在の作品つくものお琴