あらすじ
理由なき悪意は、少年から全てを奪った。
クラスメイトからの陰湿ないじめを受け続けた末、苗田寿(なえだ ひさし)は、校舎の屋上から突き落とされ、その命を終える。加害者たちの、虫けらでも殺すかのような、なんのためらいもない嘲笑を背に受けながら……。
しかし、彼の魂は、絶望の闇に消えることはなかった。
死の淵で、寿の魂を見出したのは、万物の終焉を司る【冥王】。その類まれなる復讐心に興味を抱いた冥王は、寿に取引を持ちかける。
「我が力の半分をくれてやろう。その代わり、貴様の復讐劇で、長きに渡り退屈した我を楽しませろ」と。
冥王と契約し、影を操る力《影操者》を得た寿が転移させられたのは、憎きクラスメイトたちが「光の女神」によって【勇者一行】として召喚された、剣と魔法の異世界だった。
英雄としてもてはやされ、贅沢な暮らしを送る偽りの勇者たち。
対する寿は、たった一人、汚い路地裏から、復讐の牙を研ぎ始める。
これは、理不尽に全てを奪われた少年が、神々の代理戦争の駒となり、絶対的な『悪夢』となって偽りの英雄たちに忍び寄り、その心を、尊厳を、そして命を、最も残酷な形で刈り取っていく、壮絶な復讐の物語であ